過去ログ - 俺の妹がこんなに可愛いわけがないSSスレ Part.13
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或る兄妹の別れ 8/10
◆ebJORrWVuo
[sage saga]
2012/08/18(土) 00:05:39.71 ID:w9Y/glPqP
「また……海外に行っちまうのか?」
だからか。
だから、こんなに必死になって。
十月。
卒業は三月。
後、もう半年も無い。
そこから、二ヶ月を引く。
すると三ヶ月しか、無い……。
俺が一人暮らしをしたら、後、三ヶ月だけが俺たちの時間になる。
せっかく……仲良くなったのに。
これだけ、距離を縮められたのに。
こうして、二人で居られる時間は、たったの三ヶ月。
それは……悲しいと思う。
寂しいと、思う。
でも、行くな、とは言えない。
だってそれはもう将来に関わる範囲だから。
中学卒業と共に、義務教育が終わって、そこからは自分の人生だ。
「……ねえ、もしあたしがさ」
「…………」
「海外に付いてきて、といったらあんた、どうする?」
「…………」
それは……どうするだろうか。
だってそれは俺の人生の問題になる。
大学に行かないで、妹に付いて行くなんて。
それは……正しくは、無いだろう。
「ホントはさ、言うつもりなかったんだ」
「…………」
「今回もさ、ちゃんとあんたを見届けようと思っててさ」
「…………」
「一人暮らしだって止める気、無かったんだよ」
でもさ、と桐乃は続ける。
「あんたが……、あんたがあたしを好きって言うから」
「…………」
「ただの兄妹の関係として上手くやろうと思ってさ」
「…………」
「それであたしの中で折り合いつけてたのに……」
「…………」
「またあんたが、……夢を見せるから」
桐乃の気持ちは……分からない。
ただ漠然と、俺は酷いことをしてしまったのだけは分かる。
「……桐乃」
「あんたは……何度、あたしに夢を見せるワケ?」
「……俺は……」
「陸上で海外に行った時もそう。あそこであんたとは一区切りつけるつもりだったのに」
「俺は……」
「偽彼氏を連れてきた時だって、殆ど諦めていた」
「……俺は」
「あんたが、黒猫と付き合うって決めた時は……」
「…………」
「もうこれで諦められる、諦めるしか無いって思ったのに……」
俺は、何を言うことが出来るだろう。
「あんたが、黒猫に振られてもあいつの事、好きっていってさ」
「…………」
「そして、黒猫とあたしの二択であたしを選んだ時」
「…………」
「あたしは妹として選ばれたのだと分かったから」
「…………」
「理想の兄妹であろうと思った」
「…………」
「そうじゃないと、あんたが、好きな人と付き合えないから」
……俺は、何も言うことが出来ない。
桐乃が言う度に、その時の想い出が蘇る。
積み重ねた兄妹の想い出に、挟まっていく桐乃の想い。
「ねえ、あんたさあ……」
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