過去ログ - 俺の妹がこんなに可愛いわけがないSSスレ Part.13
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◆6U1bthnhy6
[sage saga]
2012/09/01(土) 22:57:42.73 ID:FEwJ2EfDO
「あの・・・」
「ん?」
あたしはもう一度深々と部長さんに頭を下げた。
「その節は、本当にお世話になりました。兄貴の無茶なお願いを聞いて頂き、お礼の言葉もありません」
兄貴に言われた通り、あたしはお礼を言った。
よそ行きだが、しっかりとお礼を言ったはずだ。
しかし、
「ふむ・・・」
部長さんはあごの無精ひげをいじりながら、何やら無表情でこっちを見ていた。
え・・・なに?
「あ、あの・・・?」
「そういう言い方はいけねーな妹さん」
「・・・え?」
見ると、真剣な顔で部長さんは言ってきた。
「あの日あいつは真剣だった。俺に頼む顔も真剣そのものだった」
「・・・」
「だから俺もそれに感銘してチャリ貸したんだ。でもそりゃあ・・・あんたの為だろ?」
「!!」
「あいつよ、土下座したんだぜ?」
「・・・え?」
「『どうしても今日中にこれを妹に届けなきゃいけないんです!!』ってよ。天下の往来で大の男がだ」
「・・・」
「ましてや相手は見ず知らず。貸してくれる可能性なんざ皆無に等しい。それでもあいつは、妹の為にお願いしますって頭ぁ下げてきたんだよ」
「・・・」
「それをよ・・・兄貴の無茶って言っちゃあいけねーよ。そりゃ全部、あんたの為にした無茶なんだからよ」
「・・・ごめんなさい・・・」
あたしはいたたまれず、小さな声で謝った。
この人の言ったことは何から何まで正論だったから。
「わかってくれりゃあそれでいい。俺はよ・・・高坂って男がお気に入りでよ。あいつの、なんてーか他人の為に我が身を厭わないってのか・・・おっと。んなこたー妹さんのがよくわかってっか」
そう言って部長さんはまたカラカラと大声で笑った。
あたしは嬉しいの半分、悔しいの半分でその様子を見ていた。
嬉しいのは、兄貴の良さをわかってくれる人がいたこと。
悔しいのは、わかってるのがあたしだけじゃなかったってこと。
それでもあたしは万感の意を込めてもう一度頭を下げた。
「ありがとうございます。兄貴のこと、これからもよろしくお願いします」
「おうまかせとけ!」
ニッと歯を剥いて笑う彼に、あたしもつられて笑った。
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