過去ログ - 俺の妹がこんなに可愛いわけがないSSスレ Part.13
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612:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2012/09/03(月) 06:05:06.33 ID:WPqF8HGIO
・10ヶ月後

第一子、男の子を授かった。私の両親も夫の両親も、桐乃も顔が緩みっぱなし。お義父様が1番喜んでいたかな。

・5年後

第二子誕生、女の子が誕生。そして父が政界を引退。父がどうしてもとせがみ、夫が地盤を引き継いだ。夫の友人に財閥の娘がいたこともあり、夫は以後盤石な地盤を持つ政治家として手腕を発揮していった。

そして、あの離婚騒動から30年が過ぎた日。私たちは沢山の思い出の詰まったマンションを離れることになった。

「なあ、あやせ。覚えてるか、30年前のこと」
「ええ、一生忘れません」
「次越す所は都心だ。あの公園にはなかなか行けなくなるな」

そう、ここは・・・私たちの思い出が詰まった町。家。

「新しい家は住みやすそうですか?」
「どうだろうなあ。よく家主が変わってるよ」
「知ってます。貴方は追い出されないようにして下さいね?」
「へいへい、分かってますよ」

持ち運ばれる荷物。場所は変わっても思い出は変わらない。貴方が側に居てくれるなら。

「なあ、あやせ」
「何ですか?」
「あの時別れてたら・・・どうなってただろうな」
「さあ、想像もつきませんけど・・・でも、今より幸せではないと思いますよ?お互いに」
「お互いに、か・・・そうだな。」
「ところで、あの離婚届・・・どこにあるんでしょうね?」
「さあな、あの日気付いたらなくなっていたから」

そう、あの届はどこかに消えていた。

「もし、見つかったら・・・どうします?」
「さあな。でも、とっておくかな。」
「えっ?」
「まあ、あれだって大切な俺たちの思い出だからな」

そういって微笑んだ夫の姿を30年見てこられたのは、どこに行ったとも知れない離婚届のおかげかも知れない。

【終わり】


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