過去ログ - 俺の妹がこんなに可愛いわけがないSSスレ Part.13
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672:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2012/09/09(日) 01:15:48.34 ID:IHnFLe1IO
そんな彼女がこんな人間関係に荒波を立てるようなことを言うとも思えない。恐らく真実を知った彼女は断腸の思いで私に連絡したのだろう。

「京介さんを信じてあげて下さい。何かの間違いだと思いますから」彼女のメールはこう締めくくられていた。

私も信じたかった。しかし夜中に仕事から帰った馬鹿正直な夫は、顔面蒼白にしながらあるがままのことを私に語った。

沙織の言った通り、香織さんに連れこまれ、何時の間にか自分もその気になっていたそうだ。

確かに2人目を産んでから私は一切夫の相手をすることはなくなっていた。2人の子どもを抱える主婦の心労は並大抵ではない。

ようやく上の息子が寝静まったとしても、下の子にはお乳をあげる必要もある。夫の相手など出来る訳がなかった。

夫も分かってくれてはいた。しかし、若い夫には苦痛だったのだろう。そこにあのような誘いがあり、それに食いついてしまったのだ。

事情を聞いて私は・・・正直に言って怒ってはいなかった。

驚くほど冷静な自分自身に驚いたものだ。まあ、夫があらゆる所で無自覚に女をタラす癖があることは知っていた。

ただ現実には私の覚悟より斜め上からの変化球だったが。夫を取りに来るならあの闇天使やベルフェゴール、メルルもどきくらいかと思っていたのだが。

冷静になればなるほど怒りは薄れていく。そして湧くのは失望。夫ではなく自分自身の、夫を繋ぎとめられなかった弱さに。

目の前で打ちひしがれる夫。反省しているのだろう。そんな夫を見る度に私は自分を責めた。夫をこんなに苦しませているのは私ではないのだろうか?

夫が、あの優しい夫が他の女に手を出すまでに追いつめたのは私なのではないだろうか?

必死に謝る夫。浮気したのは夫だ。今回の件で悪いのは夫だ。でも、夫を追いつめたのが私なら?謝るのは私の方なのではないか?

馬鹿馬鹿しい考えだが、この負の想念は私を支配して止まなかった。

夫を幸せにする。私のかけがえのない親友とした約束を私が果たせていなかったとしたら?私に・・・夫の妻である資格はない。


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