過去ログ - 俺の妹がこんなに可愛いわけがないSSスレ Part.13
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[sage]
2012/09/09(日) 01:18:20.20 ID:IHnFLe1IO
「貴方が私を選んでくれた理由は・・・ただ1番最初に想いを伝えた。その一点に過ぎないのではないかしら?」
「そんなこと」
「あるわ。」
頬を伝う涙に私は続きを言うことをためらった。でも、続けなければならない。私はもう自分に嘘はつけないのだから。
「貴方のことくらい分かるわ。貴方は決して『私だけ』を見てくれたことはなかった」
「あくまで最初は『妹の友達』として。そして今は『貴方の子どもの母親』としか見ていない」
「ねえ、京介?貴方はさっき答えに詰まったわよね。私と他の女どちらが大切かと聞いた時」
「貴方が気付けていないなら、私が教えてあげるわ」
「貴方にとってね。私も新垣あやせも田村先輩も来栖加奈子も、一直線に並んで大切な人ってことよ。」
「貴方は私達だけを天秤にかけて結婚相手を決めたのよ。でもね、貴方が女性として愛してるのはこの中にはいない。」
この人に始めて告白した日から気付いていた。この人が見ているのは違う人だと。
「正直になって、京介。もう、こんな茶番はやめましょう」
この話し合いから2ヶ月。ついに夫は離婚届に判を押した。
2人の子どもは私が育てることになった。子ども達にはパパとは毎週会えると約束した。京介もこの子達のことは本当に愛してくれていた。
私が手に入れることの出来なかったものを、私のお腹の中で手に入れた子ども達。私はそんな子ども達が愛おしくてたまらなかった。
彼との想いは遂げられなかったけれど、この子達がいれば大丈夫。それは確信出来た。
実家に帰った私は全く変わっていない、自分の部屋のドアをあける。日向と珠希が守ってくれた部屋にそれはあった。
「ふっ・・・私の儀式はまだ終わっていないわ」
痛々しい「運命の記述(来世篇)」こそが。今の私を支えてくれた。
それから2年後
私の元夫が再婚した。子ども達が式に呼ばれたので式場まで私が送りに行く。
そこには若い金髪の花嫁を伴って幸せせうに歩く元夫と、父親の新たな花嫁に戸惑いつつも心からのお祝いを述べる、まだ6歳の息子と4歳の娘の姿があった。
ふと、元夫が子ども達に向けていた目線を上げて私と目が合う。
「瑠璃・・・」
声をかけて来た元夫に、私はまだ恋慕の情を引きずっていた。でも、もうこれ以上彼を惑わすつもりはない。この現世では。
気付かないふりをしてその場を離れた私の目に涙が浮かんでいたのを見つけた人は誰一人いなかった。
【終わり】
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