過去ログ - 俺の妹がこんなに可愛いわけがないSSスレ Part.13
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852:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2012/10/11(木) 23:11:43.54 ID:UgVSypyPo

関東地方が梅雨入りして、今日で早くも一月が経過しようとしていた。
今年も例年通りなら、夏休みに入る頃には、この鬱陶しい長雨からも開放されるはずだ。

朝の通学路を傘を差して俺と肩を並べ歩きながら、さっきからしきりと俺の顔を心配そうに覗き込む幼馴染。
名前を田村麻奈実という。料理と裁縫、これ以外は特に趣味らしき趣味もないらしい。
顔は十人並みで、並外れて美人というわけでもないが、俺は麻奈実の顔を見ているだけでなぜか心安らぐ。
学校の成績は上の下といったところだが、もちろん俺よりは数段上だった。

「きょうちゃん、受験勉強はちゃんと進んでいるのかな?」

「この顔を見ればわかんだろうが。……昼も夜もジメジメして、勉強どころじゃねえよ」

「あっそうか〜、きょうちゃんのお部屋、えあこんがなかったんだよね」

「仕方ねえだろ、親が買ってくんねえんだから」

この蒸し暑い梅雨を、なんとか自己暗示で耐え忍びながら少しでも忘れようとしてるってのに。
麻奈実は、俺を一瞬のうちに現実に引き戻してくれた。

「せんぷうきだけじゃあ、この時期けっこう辛いよね〜」

麻奈実とは幼馴染で、高校へ進学するときも、お互いになんとなく同じ高校を選んだ。
それに家が近いこともあって、小学校の集団登校を除けば、中学から登下校はいつも一緒だった。
麻奈実んちは、地元で古くから続く『田村屋』という和菓子屋だ。
俺もガキの頃からの縁で、田村家の皆さんとは、爺ちゃん婆ちゃんを含めて家族同然のお付き合い。
お袋たちは、俺たちが付き合ってると思ってるようだが、別に付き合ってるわけでもない。

「ところで、きょうちゃん、今日の放課後は何か予定があるかなぁ〜」


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