過去ログ - 俺の妹がこんなに可愛いわけがないSSスレ Part.13
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VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage saga]
2012/10/11(木) 23:12:10.05 ID:UgVSypyPo
一時限目の授業が体育だったことを思い出し、憂鬱な気分の俺に麻奈実はマイペースに話し掛ける。
俺が憂鬱な顔をしていようがいまいが、いつものことだから麻奈実はまったく意に介さない。
「おじいちゃんがね、きょうちゃんに、新しいお菓子をお披露目したいとか言って聞かないの」
「新しい菓子っていやあ、麻奈実がいつだったか俺に話していた例のアレか?」
「あっ、きょうちゃん、ちゃんと覚えていてくれたんだ!?」
「まあな、どうせ金曜日だし、帰りにちょっとだけ寄らしてもらうとすっか」
昨夜から降り続いていた雨は朝になっても止まず、通学路のあちこちに水溜りを作っていた。
この鬱陶しい梅雨空と降り続く雨を除けば、いつもと変わらぬ麻奈実との登校風景。
平凡であることが一番だと思っている俺には、こんな何気ない日常の風景が何よりも心地よかった。
☆
これまたいつもと変わらぬ退屈な授業を終え、俺たちは早々に学校を後にした。
雨は昼過ぎには上がり、雲の切れ間から覗く陽射しが、アスファルトの上の小さな水溜りに乱反射していた。
俺は傘に付いた雫を振り払い、横でほわんとした顔で歩いている幼馴染の顔を何となく見つめていた。
「なぁ麻奈実、俺たちがこの道を一緒に歩くのも、もしかすっと高校を卒業するまでだな」
「わたしがきょうちゃんと同じ大学に行けたとしても、学部が違うし、時間割とかも全然違うんだろうね」
「麻奈実が俺と同じ大学じゃなくて、俺が麻奈実と同じ大学に受かれば、だろ。
あっという間に時間は過ぎちまうんだから、俺も頑張らねえとな」
「えへへ〜。きょうちゃん、お店に電話するからちょっとだけ待っててね」
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