過去ログ - 俺の妹がこんなに可愛いわけがないSSスレ Part.13
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857:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2012/10/11(木) 23:13:55.64 ID:UgVSypyPo

麻奈実に急き立てられるようにして廊下を歩き、俺はいつものお茶の間に通された。
仏壇のある隣りの部屋と、俺のいるお茶の間とは襖で仕切られている。
普段ならその襖は開け放たれたままだが、今日はしっかりと閉められていた。
おばさんの友達というのは、多分隣りの部屋にいるんだろう。
俺が麻奈実に眼で合図を送ると、麻奈実は無言のまま笑って頷いた。

「じゃあきょうちゃん、いま持って来るけど……その前に着替えてもいいかなぁ〜」

「おう、俺はここでゆっくり待ってっから、先に着替えてきてくれ」

麻奈実がお茶の間を出てから、俺は座卓の前に敷かれた座布団に腰を下ろした。
久しぶりに触れる畳の感触、何とも言えない懐かしさを感じる。
俺んちで和室といえば、唯一親父たちの部屋だが、ベッドを置く関係で床全体が絨毯に覆われている。
言うなれば、俺んちに和室と呼べるような和室は既にない。

俺は、この和室の雰囲気が昔から好きだった。
特に麻奈実の家は天井が高く、壁は昔ながらの土壁仕様だし、その上縁側まである。
理想を絵に描いた、俺好みの和室だ。
畳の部屋なら座布団一枚あれば、そのまま横になって寝ることも出来るのもいい。

俺は座布団を枕代わりに二つ折りにして横になると、縁側の先に見える庭を何となく眺めていた。
この家の庭には、花好きの年寄りが二人揃っているせいか、何らかの花が一年中咲いている。
今は秋になると無数の赤い実をつける南天の木が、白い小さな花を咲かせていた。
地面に目を移せば、真っ白なユリの花や、赤紫色の紫陽花も咲いている。


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