過去ログ - 俺の妹がこんなに可愛いわけがないSSスレ Part.13
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859:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2012/10/11(木) 23:14:47.84 ID:UgVSypyPo

「きょうちゃん? 何を笑っているのかな? お待たせしました、これが新作です」

「いや何でもねえよ。麻奈実なら将来はいい嫁さんになるだろうなって、な」

「もう、きょうちゃんたら〜、あんまりわたしのことからかうと、ほんとうにおこるよ。
 それより、どうかなぁ〜。……けっこういいかなって、思うんだけど」

新作の和菓子は、浅手のガラス製の皿にちょこんと二つ載せられていた。
麻奈実が言うところによれば基本は水羊羹らしいが、小さな手毬のような球状で、
表面は極々小さなサイの目状にカットされた葛で覆われていた。
更に水羊羹を覆う葛は、鮮やかな赤紫色に染められている。

「いやぁ、なんだかこの時季に涼しげでいいんじゃねえの。
 今の季節にぴったりじゃん――これって、麻奈実のアイデアなんじゃねえのか?」

「きょうちゃん、覚えていてくれたのかな?」

「紫陽花、だろ? 今だって、あんなに庭に咲いてるじゃねえか。よくあんなに増えたもんだよなぁ」

それは、ずっと昔のこと、俺と麻奈実がまだ保育園に通っていた頃の話だ。
俺たちは保育園に通っていた当時も、今と同じように行き帰りはいつも一緒だった。
梅雨のある日の朝、俺と麻奈実は傘を差して保育園に向かって歩いていた。
ある家の前を通り掛ったとき、俺はちょっとした悪戯を思い付いた。

「なぁ麻奈実、いいもんやるから手ぇ出してみぃ」

「手を出せって……きょうちゃん、わたしに何かくれるの〜? ……じゃ、じゃあ〜」


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