過去ログ - 俺の妹がこんなに可愛いわけがないSSスレ Part.13
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869:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2012/10/11(木) 23:19:25.24 ID:UgVSypyPo

仕方がないという表情を顔に浮かべ、あやせは振り返るとまた元の位置に戻って来た。
そのまま学生鞄で張り倒されるような気がして、俺は一瞬身構えた。

「……お兄さんも召し上がったんですよね? 新作のお菓子。
 お姉さんが、お兄さんに似ているといった意味、やはり気付いてなかったんですね」

俺のことを哀れみの目で見るのはやめてくれ!

「紫陽花は、……紫陽花という花は、植えた場所によって花の色が変わるって知ってました?
 そういうところから、紫陽花の花言葉は『移り気』なんです。
 気の多い人、浮気者という意味です。お兄さんにはぴったりじゃないですか」

最近になって、麻奈実が俺を見る目付きや振る舞いが以前に比べて妙にぎこちなく感じるのも、
あやせの言う通りなら、もし、それが本当のことだとすれば……。

「お兄さんに気付いてもらいたかったんだと思いますよ、お姉さんは。
 ずっと昔からお兄さんが好きだったと、他の誰よりもお兄さんのことが好きなんだと……」

あやせは、俺の顔から視線を逸らすと、手に持った紫陽花を寂しげに見つめた。
二人の仲が良いことは知っていたし、俺の知らないところで何をしていようが俺には関係ねえ。
しかし、それでもどうしても確かめておきたかったのは、あやせが隣の部屋にいたことを麻奈実が黙っていたことだ。
どう考えても、今回の情況は釈然としない何かがあると思った。
あやせが素直に答えてくれる保障なんてねえが、今はあやせに訊くしかない。

「俺がそういったことに疎いっていうのは認めるよ。
 ……ところでさぁ、何であやせが隣の部屋にいたのか教えてくんねえか?」


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