過去ログ - 俺の妹がこんなに可愛いわけがないSSスレ Part.13
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◆k4qYXRI5uY
2012/10/24(水) 01:34:50.90 ID:hjqbnE7P0
互いに頬がヒクついているのを自覚しながらこんな事を言い合う。
もう互いに暑さが限界なのは分かっているのだ。
それを見越しながら互いに強がる。我ながらなんと馬鹿らしいことか。
ちょっと言い合うとまた互いに黙り込む。今涼しさを感じられるのは、たまに入ってくる風と扇風機と風鈴の音色ぐらいだからだ。
朦朧とする頭で風鈴の音だけ聞きながら過ごしていると、突然風が止み、風鈴の音も止まってしまった。
同時に耳に入ってくるのは暑苦しいせみの鳴き声だ。
ただでさえ暑いというのに、何が楽しくて蝉の鳴き声に集中しなくてはならないのか。
「兄貴、風鈴ならなくなっちゃったんですけど」
「あぁ、そうだな」
……暑い。なんていうか、気温がかなり増した気がする。
風鈴の効果を、失ってから知ってしまった。
あの音は、蝉の鳴き声とこの暑さを紛らわせてくれていたのだ。
喧嘩になるので首振りにしている扇風機も今では恨めしい。
「兄貴、風鈴、鳴らない」
「んな事分かってるっつの」
兄貴にもう一度言う。兄貴も風鈴が鳴らなくなってしかめっ面をしていた。
暑すぎて、あたしは喧嘩中だという事も忘れて兄貴に言った。
「なんとかしてよ」
「……お前、俺と喧嘩中って分かってる?」
ハッとするが、時既に遅し。
兄貴がこちらを呆れ顔で見ていた。
「……はぁ」
そんなあたしを見て、兄貴は溜息を吐き出す。
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