過去ログ - 俺の妹がこんなに可愛いわけがないSSスレ Part.13
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998:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2012/11/02(金) 02:03:06.08 ID:7vI2ZR7Wo

十一月に入って最初の金曜日、なんの前触れもなくあやせが俺んちにやって来た。
俺が二階の窓から見ているとも知らず、あやせは玄関のチャイムも鳴らさずに裏庭へまわったんだ。
一体なにをしに来たんだか知らねえけど、どう見てもあやせの様子はただごとじゃない。
俺は部屋を飛び出し、階段を駆け下り、あやせに気付かれないよう慎重に玄関のドアを開けて外へ出た。

家の壁に身を隠して様子を窺うと、なにやらあやせがスコップで庭を掘ってるじゃねえか。
他人の家までやって来て、わざわざ落とし穴を掘るヤツなんかいるわけがない。
生ごみ用の穴? それもねえな。

「おい! そんなとこ掘ってなにを考えてんだおまえは!」

「……」

「あやせ! 俺が訊いてんのに無視するんじゃねえよ、ったく」

「見てわからないんですか? 穴を掘ってるのに決まってるじゃないですか」

なんなのこの言い草。そんなの見りゃあ俺にだってわかるっての。
俺が訊いてんのは、なんであやせが俺んちの裏庭で穴を掘ってるかってことだろうが。
もともと頭のおかしなヤツだったけど、とうとうここまできちまったのかよ。

あやせがなにを考えてんだかわからねえが、勝手に穴なんか掘らせるわけにはいかない。
もし親父にこんなところを見られたらただじゃすまねえし、下手すりゃ俺がやらせてるって勘違いするだろう。

「なあ、よくわからねえけど、とにかく俺んちの裏庭で穴を掘るのはやめてくれ」

「なんでですか? わたしが穴を掘ったら、お兄さんが困るとでも言うんですか?」

「困るんだよ! こんなとこ親父に見られてみろよ、俺が怒られるに決まってんだろうが」


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