33: ◆0WipXNi8qk[saga]
2012/07/16(月) 02:23:00.15 ID:CZnO16LJo
「そ、そうだ! それぞれの家のポストに投函するというのはどうだ?」
「え、全員分? それってかなり大変じゃ……」
「今回の事件は理科部の責任だ。正しくは私以外の理科部だが。
だから、そのくらいやっても当然だろう。謝罪の意味も込めてな」
「でも、結局あの事件って小鷹先輩の武勇伝としてしか語られていませんよね。理科部のりの字も出てこないですもん」
理科はどこか申し訳なさそうにそんな事を言う。
とりあえずハッキリ言えるのは、決して武勇伝ではないという事だ。
「いや、別にいいだろ。俺は元々評判悪かったし」
「今ではほとんど修復不能な状態になったがな」
「ハッキリ言い過ぎだろ!!」
俺はちょっと泣きそうに泣きながら言う。
「まぁとにかく、これは理科部で作りましたとか何とか書いて、それぞれのポストに投函。それでいいだろう」
「分かりました。それでは理科は今から全員分の住所調べますね」
「そんな簡単に分かんのかよ……」
「ふっ、この程度理科にとっては造作も無いことですよ! オナニーしながらでもできます」
「この変態が!!!」
夜空は顔を真っ赤にして叫んだ。
***
次の日の朝。
俺が登校すると、クラスは防犯ブザーの話で持ちきりだった。
「理科部が作ってくれたんだって」
「へぇー、そんな部活あったんだ」
「でもこういうのって嬉しいよね!」
「うん、ちょっと安心するかも」
どうやら中々好評のようだ。
俺は思わず口がニヤけそうになり、モニュモニュと抑える。
あー、たまに夜空が口をモニュモニュするのは、ニヤけるのを抑えてるのかもな、なんて事にもふと気が付く。
あと、あの事件の原因も理科部だと分かったら、この反応も大分変わってきそうだが、そこは気にしないでおく。
「そういえば、理科部って三日月さんが入ってるんじゃなかったっけ?」
「えっ、そうなの?」
「そういえば、この前クラスの子が放課後に理科室に入って行くのを見たって」
そんな声が聞こえたかと思うと、あからさまに夜空の肩がビクッと震える。
そして何故か助けを求めるかのようにこちらを見てくる。俺にどうしろってんだ。
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