42: ◆0WipXNi8qk[saga]
2012/07/16(月) 11:09:46.59 ID:CZnO16LJo
「では……嘘発見器なんかどうですか?」
そう提案したのは理科だ。
「嘘発見器? 『私達は友達だな?』と聞いて『はい』という答えがウソじゃなくなるまで拷問とかするのか?」
と、夜空が真顔でとんでもない事を言う。
「ち、違いますよ。ほら、先輩方はギャルゲーとかやりませんか?」
「やらん」
「何となく知ってる程度だな……」
確か選択肢を選んで女の子と仲良くなるゲームじゃなかったか。
家にあるゲームは大体が小鳩の趣味なので、そういうものは一切無かったりする。
「ギャルゲーっていうのは、会話の中にいくつかの選択肢が出てきて、どれを選んだかによって好感度が上下する、といったシステムが主流です。
やはり、現実で誰かと仲良くなるためにも、そういった好感度を上げるのが大切だと思います」
「あ、あのな、あくまでそれはゲームの話だろ?」
「ふむ、しかし実際好感度というものは現実にもあるだろうな。ゲーム程ハッキリはしていないだろうが」
夜空は腕を組んで何やら頷く。
「さすが、夜空先輩。そこで嘘発見器を使って相手の本音を知って、会話を上手く進めるという作戦です!」
「なるほど……確かにありかもしれん」
「……そうか?」
どうにも腑に落ちない俺だったが、結局これでいこうという事で、理科は作り始めてしまった。
そして一時間ほど経った頃。
「完成です!!」
「いやだからはええって!!」
俺も夜空も本を読んでいたが、すぐに突っ込む。
夜空は本から顔を上げると、理科の手元に注目する。
「意外と小さいんだな」
「えぇ、実用性を重視しました」
それは形も大きさも制服のボタンと同じくらいのものだった。
「では、正しく動作するか試験してみますので、夜空先輩協力してもらえませんか?」
「構わないが……何をすればいい?」
「ただ理科の質問に答えてもらえればいいです」
そういうと、理科は嘘発見器を白衣の襟元に止める。
どうやら裏に留め具のようなものが付いているらしい。
「ん、相手につけるのではないのか?」
「はい。これは対面に居る人の脳波を読み取りますので。
私の質問にウソをついた場合、これが振動する仕組みになっています」
理科はここで言葉を切ると、
「では夜空先輩」
「小鷹先輩の事、好きですか? 嫌いですか?」
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