48: ◆0WipXNi8qk[saga]
2012/07/16(月) 13:39:26.43 ID:CZnO16LJo
俺は反応に困る。
「……えっと、良かったのか? アイツら」
「えぇ、あれじゃまるで大人数引き連れてないと、あたしがあんたと話せないみたいじゃない。そんな屈辱的な事は許せないわ」
何だか良く分からないが、サシで話したい事があるのだろうか?
「お、俺に話があるのか?」
「えぇ。あのさ、今すぐあたしの視界から消えてくんない?」
「…………はい」
それが言いたかっただけかよ……。
俺はそれなりに凹む。
「ていうかさ、殺人未遂容疑者が何でのうのうとここで生活しているのかしら。早くブタ箱にぶち込んじゃえばいいのに。
これで空気感染とかして他の生徒まで殺人鬼になったらどうすんのよ。あ、そうだ。あんた、あたしの半径1km圏内では息しないでね」
俺は新型ウイルスか何かか。
――しかし、よく考えてみれば、俺は彼女の父親の学校で問題ばかり起こしている人間だ。
この学園の評判を下げる、いわば父親の顔に泥を塗っていると言ってもいい。
そんな人間に敵意を持つのは至極当然の事ではないか。
「……ごめんなさい」
「うわっ、何話してんのよ。日本語っていうのはあんたみたいなのが口にして良い程腐ったもんじゃないのよ。
ていうか言語っていう人類の文明の賜物を使う事自体がおこがましいわ。あ、ワンとかニャーもダメね。犬や猫が可哀想だから」
もうやめて! 俺のライフはゼロよ!!
本気で泣きたくなってくる俺だったが、ここである事に気付く。
星奈の足。
いや、別に「ぐへへ、いい足してんなぁ……」みたいな変態的なものではない。
ただ、注意して見てみれば明らかに。
彼女の足は、ブルブルと震えていた。
「…………」
「そうよ、そうやって何も話さないのが正解よ。あ、息もちゃんと止めなさいよ」
「……なぁ」
「だから話すなって言ってんでしょ。耳も腐ってんの? それとも頭? あぁ、どっちもか」
「お前……俺が怖い…………のか?」
「……は、はぁ!? そんなわけないじゃないバッカじゃないの!?」
ブーブーブーと。
ポケットの中にある理科の発明品が振動する。
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