過去ログ - 和「あんたのなつやすみ」
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19:μ[saga]
2012/07/24(火) 19:01:04.73 ID:A0mC0IWi0





【ひきこもり2日目】


ひきこもり生活の初日は何事も無く過ぎて行った。
全身を汗だくにしながらも、意外にも唯は扇風機だけで初日を耐えてくれた。
伊達にクーラーが苦手な体質ではないという事らしい。
それはそれで私には願ったり叶ったりだった。

ただ、普段から怠惰に過ごしてる印象の割には、
すぐにこのひきこもりの状況に退屈を覚え始めたらしかった。
唯は私の部屋の本棚にある漫画本を一通り読み終わると、
心底退屈そうに扇風機の前で無意味に声を出して宇宙人の声を再現し始めた。
いえ、実際に宇宙人の声を聞いた事は無いのだけれど。

唯は何とそれを一時間以上続けていた。
流石にこれ以上放置しているのも問題かと思い、


「あんた、普段ゴロゴロしてるのが好きなんだから、
こんな今こそ変な事せずにゴロゴロしてればいいじゃない」


と私が言うと、唯は扇風機から顔を逸らさずに不満そうに返答した。
勿論、宇宙人みたいな声で。


「モー……。
和チャン何モ分カッテナイヨー……。
何カシナキャイケナイ時ニー、
ソレデモゴロゴロスルノガ一番気持チイインダヨー?」


……まさしくニート予備軍に相応しい発言だった。
軽音部に入った事で少しは改善されるかもと期待していたのだけれど、
あの部活の申請用紙を出す事すら数ヶ月忘れていた部では、願うべくも無い事だったのかもしれない。
そういえば、ひきこもり初日、唯が私の自宅付近に居たのはやはり散歩のためだったらしい。
当然、単なる散歩のためではない。
夏休みの宿題を憂に急かされ、それから逃げるために散歩と言う名目で家から出たのだそうだ。
何て言うか、凄く唯らしい散歩の動機よね……。
私の幼馴染みは順調にニートへの道を歩んでるようだ。


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