過去ログ - テッラ「困りましたねー」フィアンマ「言う程困ってもいないだろう」
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◆2/3UkhVg4u1D
[saga]
2012/08/04(土) 04:03:24.76 ID:mfGPhlBAO
テッラは少し考える素振りを見せた後、子猫を抱き上げる。
フィアンマと同じ色合いの、美しく可愛らしい瞳。
ごろごろ、と喉を鳴らす子猫を指先や手のひらで可愛がり、テッラはフィアンマの向かい側にある椅子へと腰掛ける。
子猫はマイペースな性格らしく、テッラの膝上で丸まって眠り始めた。
どうやら暖かくて心地良いらしい。
フィアンマはそんな子猫の様子を見やってくすりと笑い、ぼんやりとした表情でチェス盤に駒を並べていく。
眠る子猫の背中を撫で、子猫に対し、彼の同情という気紛れに救われた仲間意識のようなものを心中に浮かばせ、テッラはフィアンマの、チェスの駒を動かす手つきを眺めた。
白い指先、爪は神経質さを表現するかのように、きっちりと切り揃えられている。
箱庭療法に取り組む精神病患者の如く虚ろさを滲ませて、フィアンマは駒を好きに移動させていく。
ゆっくりとした瞬きがされる度に、長い睫毛が動いた。
睫毛の先に水滴が見えたような、まるで彼が泣いているように見えて、テッラは注意深くフィアンマの表情を見る。
しかし、泣いてなどはいない。
フィアンマ「…人は戦争を嫌がっておきながら、戦争が無ければ仲違いするな」
テッラ「共通の敵を作っている間は、嫌でも結束しますからねー」
フィアンマ「…で、あるならば。救世主というものは、全ての罪を請け負うべく戦争の引き金を引く人間の事も指すのかも、しれんな」
テッラ「…唐突に、何の話ですかねー?」
フィアンマ「いいや、深い意味は無いよ。ただの世間話さ」
短い眠りから目を覚ました子猫はぴょんとテッラの膝上から降り、フィアンマの足下にすりついて甘える。
彼の孤独を埋めるかのように、純粋無垢さを全面に出して。
フィアンマ「…お前は、ローマ正教徒を幸せにしたいのか」
テッラ「えぇ、もちろん。優劣をつける事は悪しき事ですが、ローマ正教徒の中でも、出来る事ならば、貴方に一番幸せになっていただきたいですねー」
フィアンマは足下でしきりに鳴く子猫を抱き上げ、優しく頭を撫でる。
フィアンマ「叶えば良いな、その夢が」
テッラ「その為の努力は、今一つまだ足りませんがねー」
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