過去ログ - 天海春香「私のプロデューサーさん」
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12:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2012/07/22(日) 00:08:50.16 ID:ze0PAYTP0
「春香が春香なら、それでいいと思う」

「で、でも!お仕事じゃないですか!」

そう、アイドルは仕事だ。

色んな人が私に関わってくれて、「天海春香」は存在していられる。

その人達に応えるには、勝たないと…。

「じゃ、一つ質問。私の仕事はなーんだ」

「え」

プロデューサーさんのお仕事。

「スケジュール調整。アイドルの体調管理。営業周り…とかですか」

「そう。んでそれらはぜーんぶまとめてひっくるめると」

全部まとめる…と?

「春香に、仕事でベストのパフォーマンスを出してもらうこと。それでお金を貰うこと」

真っ直ぐプロデューサーさんが私を見る。

「プロデューサーは、所詮裏方だから。春香の才能を引き出すしか出来ない。

春香が限界まで頑張って10出来るとしたら、10より上のものは作れないんだよ。

だから、その10を引き出す為なら何だってする。手塩にかけたアイドルを別のプロデューサーに引き継ぐことだってする」

前のプロデューサーさんのことだ。

「あの人は…先輩なんだけど。すっごく春香のことを心配してた。

でも、人間やれることの量には限界があるからね。だから、私に託してくれた」

「プロデューサーさん…が…」

捨てられたと思っていた。私のことを嫌になったんだと。

「この仕事は春香のことが最優先なんだよ。だから、春香が春香であればいい」

でもそうじゃなかった。私のことを考えてくれて。

だからこその話だったんだ。

「ありがとう…ございます…」

温かい。皆の気持ちが温かい。

私は、アイドルのことを、分かったふりをして。

何一つ分かってなかったんだ。

ぽろり、ぽろりと涙が落ちる。

「う、うっ…」

ぽす、と顔が胸に引き寄せられた。

「春香、一緒に頑張っていこうね」

「うぐっ…ひぐっ…うぇえええええっ…」

プロデューサーさんの胸で、ぐちゃぐちゃに泣いた。ただひたすらに泣いた。

もう一度、歌が好きな私に戻るために。

もう一度、「天海春香」を取り戻すために――。



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