過去ログ - 天海春香「私のプロデューサーさん」
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5:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2012/07/22(日) 00:04:32.24 ID:ze0PAYTP0
ドクンと、心臓が跳ねた。時間が止まった。
自分の心臓の音だけが響いている気がした。
「…え」
やっとの思いで出た声は、随分と間抜けな声で。
「如月君と水瀬君が活躍を見せるようになって、彼は残念ながら君と接する機会が減っている。
本来なら壁に当たっている君についてあげなければいけないはずだ。
彼もそれは分かっていて、それを歯がゆく思っているようだった。だから――」
社長の言葉が分からない。
聞いてはいるけれど、頭に入ってこない。
(プロ、デューサー、さん…)
「『春香がもし許してくれるのなら、プロデューサーを別の方にお願いしたい』とのことだった。
苦い顔を、していたがね。…君は、どうしたい?」
そこでようやく、私は事の次第を理解した。
脳が回って、昔のことを思い出していく。
デビュー前からずっと一緒で、優しくて頼れる人だった。
千早ちゃんと伊織と、プロデューサー。皆で、頑張っていこうって。
『春香なら出来る!一緒に頑張っていこう!』
いつでも元気付けてくれた。
柔らかい笑顔がとっても素敵で。頭をくしゃっと撫でてくれる手のひらが暖かで。
そんなあの人を。
「まあ、君にとっても急な話だと思う。結論までは2、3日待って――」
そんなあの人を、苦しめたのは私だ。だから。
「お願いします」
ぎゅっ、と体に力を込める。
言葉を吐き出すために。迷ってはいけない。
言わなくちゃ。
「な。い、いいのかね天海君」
「はい。お願いします」
「…分かった。近いうちに、新しいプロデューサーと面通しをさせよう。期待していてくれ」
「ありがとう、ございます」
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