320: ◆hdSJbJZZTU[saga]
2013/07/29(月) 09:00:20.81 ID:goHoUlUt0
―――目が覚めると、そこは病院だった。
何をしていたか思い出せない。
記憶があいまいで、靄がかかったようにうまく出てこなかった。
俺はどうしてここにいるんだ? 怪我をしたのか?
窓から斜陽が差し込んでいる。どうやら夕方らしい。
「あ、起きたんだ。おはよう、第一位」
そう俺に声をかけたのは番外個体だ。
両腕にあったはずのギプスがない。いつのまに外したんだろうか。
「ああこれ?」
訝しげな俺にそいつはわざわざ説明をいれてくれた。
「午前中にとったよ。調整で許可下りたから」
聞いてねェよ、どォでもイイっつの。それより。
「……俺はどォしてここにいる?」
「覚えてない? そりゃそうか、気ぃ失ってたらしいしね」
「あン?」
番外個体は呆れたように息を吐いた。
「みんなで美術館行ったんでしょ? このミサカをさしおいて、『三人』で」
……三人? そォだったか?
「んで、その美術館だけど」
一度そこで言葉を切った。
言うのを躊躇ったように見えた。
「―――爆発事故があったんだ」
俺の思考に空白が生まれた。
何かが引っかかった。
347Res/236.93 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。