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2012/07/24(火) 13:00:15.12 ID:d42ujU9K0
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スキー場でも甲子園でもなく、霧が丘女学院なのね。 内心で感想を溢したのはご愛嬌。
友人の頼みを無下にする選択肢は花から存在せず、美琴は佐天の頼みを一言二言で快諾した。
『よし、任された!』
大船に乗ったつもりで安心しなさいとばかりに胸をはる。
「それじゃあ早速」と美琴は益々教えがいの増した教え子に、
次に会うときまでに受験用に持っている問題集全てを最低3周分解いてきてね、と厳命した。
やるからには徹底的に。
本気ならば絶対的な結果を手に入れられるまでに。
求めるもの為なら泥をも被る努力を惜しまない彼女だからこその、第三位の今がある。
理想は5周だけど。 そう、付け足した美琴の笑顔を見て、佐天の体が氷のように固まったのは気のせいだろう。
仮定の話だが。御坂美琴が教員や塾講師になったならば、受け持った生徒は皆がスパルタ式で鍛えられるに違いない。
「バス、来ないわね」
「こんな暑い中、日よけもないバス停に居るなんていっそ拷問にも思えますの」
「まったくもって同意」
佐天のめまぐるしく変化していく百面相に圧倒されつづけた放課後のガールズトークは三十分前に終わっていた。
四人で分配したポテトがすべて消費されれば解散の流れとなるのはいつものこと。
柵川中学の寮へと戻る二人とは大通りの十字路で別れ、
元・常盤台コンビは各々が暮らす学生寮まで行く路線バスを待っている。
「佐天さんも頑張っていらっしゃるし、私も負けていられませんわね」
美琴の隣で白井が口を開く。
一つ下の後輩は、ゆるやかな向かい風にさらわれそうになる髪束を鬱陶しそうに手で押さえるも、
コンクリートに照り返る夏の日の暑さから開放される刹那の時に目を細めた。
「黒子」
「なんでしょう、お姉さま」
「アンタさ、本気でウチの高校を目指すの?」
「ええ。本気ですの」
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