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2012/07/24(火) 13:28:56.16 ID:d42ujU9K0
以前投下した序章・一章を多少直してものを投下しました。
時間軸は本編二年後。御坂さん高校一年生、白井さん佐天さん初春さんらが中学3年生です。
ここまでお付き合いいただきましてありがとうございます。
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next→『二章 さよならだけが人生か』
思わず声が出た。
朝日を見てそう思うのか。
絶望の果てへと沈みいく夕日に酷似した、痛々しい程に白い太陽を見て、そう思うのか。
「馬っ鹿みたい」
可笑しい。 可笑しすぎる。
率直な感想が喉を通して空気中へと放たれた。
「くくっ…、ははっ」
漏れる笑い声とともにべっとりとした不快な感覚で覆われている目元を両手でぬぐう。
両の手には、いつの間にか枯れ果てたらしい雫の残骸がまとわりついた。
自制しなければ、この身は今にでも高層マンションの自室の窓から身を投げ出すだろう。
激痛を伴う衝動が全身を駆け巡り、最悪で最高の朝がやってきたことを自覚する。
何が、希望の朝なのだろう。
「ははっ! あはは!」
狂ったように笑う女だな、と言った白い頭の少年の言葉は実に的を得ていた。
番外個体は嬉しいときも楽しいときも寂しいときも怒り狂ったときも、狂ったように笑う女で、
「ふふ、ふはは。ミサカにとったら、『最悪な朝』だっての!」
目が覚めたときに死んでしまいたくなる、切なさで全身が押しつぶされる『夢』を見た朝でさえも、笑うことをやめない女だった。
――――
次回投下予定は一週間後の24日(火)です。
夏休み初日の番外個体さんが書けたらと思います。
最低でも週一で各章を投下していく予定です。
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