過去ログ - P「拙者はぷろでゅーさでござる」
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20:>>1[sage]
2012/07/29(日) 13:30:37.85 ID:rxNWLLFR0


「出発しまーす」

 相変わらず生気の無い声が響いてその電車は動き出した。なんだか生暖かい風が入り込んできて、これは本当に夢なのかしら?と思い始めた。

 駅のホームを出発してやがてすぐにトンネルに入った。暗くなっていた辺りがさらに暗黒に包まれ、温かい空気が一気に冷えた。

 不気味な電車に乗っているせいもあってか、鳥肌が立ち、私は一瞬身体が竦んだ。

 けど、すぐに明かりが灯されて紫色の電気がトンネル内を照らす。

 なによ、このくらいなら全然こわくないわ。

 ある意味度胸試しのような、好奇心のようなモノを持って乗っていた私はなんだか勝ち誇ったような気分を持った。けれどもいきなり鳴ったアナウンスにその気分はめちゃくちゃに砕かれた。

「次は活けづくりー。活けづくりです」

 活けつくり?魚のかしら……?そう考えていると、急に生々しい悲鳴が聞こえた。

 びっくりして後ろを見てみると一番後ろの席に乗った男が周りに集る小人に切り刻まれていた。まるで本当に魚の活けづくりのように。

 強烈な臭いと共に男は悲鳴を上げている。耳が痛くなるよな大きな声。臓器やらなんやらを引っ張りだされ、そして切り刻んでいた。

 やがてそれらが終わると男は居なくなり、赤い塊のようなものだけが残った。

 私は途端に怖くなった。その悲鳴、その映像。本当にこれは夢なのか。恐怖だけが私の身体を支配する。
 
「次は抉り出しー抉り出しー」

 そして上がる悲鳴。女性のモノだ。どうなっているのか、想像がついた。私は振り返らず、心のなかで覚めろ!と何度も叫んだ。

 そうして夢は覚める。


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