7: ◆b5KTejaQ5w[saga]
2012/08/01(水) 01:15:55.79 ID:Jq49qZGzo
彼は第三学区のホテルの正面に来ていた。
のび太には似つかわしくない、どちらかといえばスネ夫に似合いそうな高級ホテル。
しかしのび太は入り慣れているのか、平然と自動ドアを通り、エントランスでなにやら身分証のような物を見せ、
その後でエレベーターに乗った。
***
「間もなく最上階、VIPフロアです」
エレベーターのドアが開くと、のび太はその中の一室のドアノブに、先程エントランスでみせた身分証のような物、
ICカードをかざす。
「ガチャ」
部屋に入り、リビングにあたる部分を目指す。
のび太がそこに着くと、ホストとヤクザ候補生を足して2で割った様な男がソファに腰掛けており、
そのソファの横にはこれまたホステスのような華美な格好をした少女が1人。
その少女がのび太を見て口を開いた。
少女「あら、のび太君。珍しく遅刻しなかったじゃない」
のび太「やだなぁ、心理定規さん。まるで僕がいつもいつもスクールの呼び出しに遅れて来るみたいじゃないか」
男「実際のとこそうじゃねえか。野比。俺の機嫌が悪かったらお前はとっくにこの世にいねえレベルだ。
それと俺の前でイチャイチャすんじゃねえ。不愉快なんてモンじゃねえぞ」
のび太「垣根君までそんなんじゃひどいや。しかもどう見ても心理定規さんは垣根君のよm」
垣根「野比の癖にそんな口を叩くとは、余程愉快な死体になりたいと見える」
野比のび太という一見平凡に見える少年が、学園都市の第二位・垣根帝督と談笑している。
この光景は、2人を知る者から見たら、とてつもなく異常なことかも知れないが、
そんな者はそもそも存在しない上に、こんな深い深い闇を覗き見る者なんている筈もないのだ。
よって、誰一人、この異常を認識することはない。野比のび太が演じる表の日常に、
彼自身の裏の異常は塗り潰されていく。
学園都市の夜は、まだまだ長い。
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