過去ログ - 照「清澄にも麻雀部はあるのか・・・」【咲-saki-】
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594:tell you that I love ...(intermissionExtra-3)[saga]
2012/10/17(水) 23:51:51.73 ID:KqltEAmB0
「私さ、こういうときの慰め方とかよく分かんないから」

そう言って、また風切り音が響き始めた
顔を上げると、淡は練習を再開していた

「柄でもないけど、明日対抗戦が決勝だからちょっと気を紛らわすために射ちにきたんだけどさ」

ヒュッ

その矢は美しい軌道を描き、的のど真ん中を射抜く

「スミレも射ったらいいよ。気が紛れるよ、きっと」

そんな言葉に突き動かされるように、ノロノロと立ち上がる
何も考えなくても慣れ親しんだ動きで準備を整えていた

構えて、射つ
的までの距離の半分で矢が失速して地面に突き刺さった

「的に当たるまで、無心で射つ」

まるで淡が先生になったかのよう
私は何も考えず、2射目を構える

またしても、あさっての方向へ飛んでいく

ああ、行き先が定まらない私の心のようだな・・・

「手が止まってるよ。考えるな、感じるんだ。射てば分かるさ、迷わず射てよ。って偉い人が言ってるらしいよ」

いろいろツッコミを入れるべきなんだろうが・・・
今はもう、何も考えたくない・・・


ようやく的に当たった頃には、もう周りはすっかり暗くなっていた

「スミレ、お疲れ」
「ああ・・・」

差し出してくれたタオルを受け取り、顔を埋める
まだ気持ちの整理はどう付けていいのかよく分からないが、とりあえず落ち着くことはできた

「無様な姿を見せたな・・・」
「ほんとだよ、貸しだからね」
「ああ、そのうち返す」

少しずつ、整理していけばいい
時間が解決してくれるのか、それとも力づくでどうにかしなければならないのか、それは今は分からないから




本当は、あなたに伝えたかった

愛していると

(了)


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