過去ログ - 照「清澄にも麻雀部はあるのか・・・」【咲-saki-】
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593:tell you that I love ...(intermissionExtra-3)[saga]
2012/10/17(水) 23:50:00.36 ID:KqltEAmB0
無我夢中で走り、私はなぜかアーチェリー場に来てしまった
クラス対抗戦の間は部活は休止中、だが

ヒュン

誰かが残って射っているのか?
矢が飛ぶ音がして、私は場内に入った

「・・・淡?」
「あ、スミレだ。どうしたの?」

そこには淡が一人
的を見ると、もう何本も矢が刺さっていた

「部活は休止中だが?」
「自主練習もダメだったっけ?」
「せめて私に連絡しろ」
「ごめんね。なんだかんだいって、こうやって射つの好きだから」

好きという単語を聞いて、私はもう我慢の限界を迎えた

そう、好きなんだ
好きなんだ、宥

でも、もう手遅れ・・・
こんなことになるなら、もっと勇気を出して動いていればよかったのに

「ぐっ、ううっ・・・」
「え、ええっ。なんで泣くのー!」

立っていることもできず、膝から崩れ落ちる
淡が慌てて私に駆け寄った

「どどどど、どうしたのスミレ。どこか痛いの、病気?? 保健室行く、救急車呼んだ方がいいの、あわあわ」

慌てる淡になんの言葉もかけることもできず、私はただ泣いた
この苦しみも、宥が好きなんて気持ちも、全部心の底から流れ出してしまえばいいのに
そうすれば楽になれるのに

「そうだ、テルに電話すればいい?」
「やめろ!」

そんなことをされたら私は自分がどうなってしまうか分からない
恐ろしい剣幕だっただろう、淡が大きく体を震わせた

でも今の私に、淡を気遣う余裕はなかった

「病気じゃないんだよね?」

淡がそれでも私を気遣ってくれる
私は俯いたまま、小さく頭を下げた

「何かあったの? 無理に言わなくていいけど・・・」

言えるわけが無く
私はやり場のない感情を追い出そうと、ただ泣き続けた


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