過去ログ - 春香「リボンを結んで」〜オーソドックスガールズストーリー〜
1- 20
183:1 ◆6VUvxtY276[saga]
2012/08/02(木) 21:16:03.03 ID:5P+gS2El0


『あの〜、それで対決の結果はどうしましょうか……』

 再び涙目になって聞いてくる司会。やべ、すっかり忘れてた。どうする春香?

「のワの」

 俺が春香に視線を向けると、何とも形容しがたい微妙なリアクションを取っていた。どうしてお前は正統派の
クセに、やることがいちいち邪道くさいんだよ。変な方向に個性を出そうとするなよ。

「あ〜、もう無効試合ってことでいいわよ。元々そのつもりだったし。そもそも春香も貴音も採点のしようが
 なくて、私達審査員も困ってたのよね。だから今回はお預けということで。春香ちゃんも次頑張ってね」

 石川社長の言葉に会場が沸き起こった。フェアリーズファンは納得出来ないかもしれないが、貴音も
フェアリーズももういないし、再戦するにも試合放棄したようなものだ。だがだからと言って、春香の勝ちとは
堂々と言えない。落としどころとしてはこの辺りが妥当だろう。それにこれからいくらでもフェアリーズとは
対決出来るんだ。次回のオーディションを楽しみにしていてくれ。

「全く、結局黒井社長にいいようにされてしまいましたね。でも私達だって、このままやられっ放しというわけ
 にはいきません。最後に微笑むのは私達765プロですよ!!」

 律子はそう言うと、携帯電話を取り出してどこかにかけ始めた。ふとその隣を見ると、いつの間にかいつもの
ヘッドセットのマイクを装着した音無さんが発声練習をしている。伊織は「仕方がないわね」と溜息をつくと、
そのままあずささんと亜美、ついでに真美も連れてどこかへ消えた。何だ?一体何をするつもりだ?

「一応こういう事態も想定して、準備だけはしておいたんです。今からこのステージは、我が765プロが
 ジャックします。空港特設ステージ限定ライブ、竜宮小町も精一杯宣伝させてもらいますよ〜!!」

 これ以上ないくらいのテンションで、律子は元気よく宣伝した。いつの間にか審査員席に座った音無さんが、
イベントの変更を会場に告げる。ファンの間では大歓声が起こった。

「いや〜、さすが律子君だ!!ではキミも準備したまえ。天海君達はまだ事態がよく理解出来ていないようだから、
 早く伝えてあげた方がいいぞ」

 高木社長が笑顔で俺の背中を叩く。無茶言わないで下さいよ。そんな急に言われても、俺も春香達も
心の準備が……

「一曲目は竜宮小町と真美がやりますから、その間に構成を考えて下さい。それくらい即興で出来ないと、
 961プロに勝つ事なんて出来ませんよ」

 意地悪そうに笑う律子。こいつ、まだIAで負けた事を根にもってやがるな。上等だ。これくらいの
イレギュラーどうってことない。Sランクアイドルのchmを舐めるなよ。




<<前のレス[*]次のレス[#]>>
204Res/269.57 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice