過去ログ - 禁書目録「それはきっと、幸せだった頃の夢」
1- 20
6:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/08/05(日) 15:27:14.31 ID:lWtW5yhzo
「このおちびちゃんがまさか師匠には見えないさ。いいとこ姉弟だろう」

嫌らしい笑みを浮かべる赤い髪の神父は私の気にしていることをずばり言ってくれる。
確かに私は他から見れば若輩者なのだろうけれど、これでも一応達人級の称号を持つ魔術師だ。

イギリス清教の最深遠――第零聖堂区、『必要悪の教会』。

私の所属している組織はそう呼ばれている。

教会とは名ばかりの異端排斥に特化した組織。
魔女狩りと宗教裁判、拷問や処刑がお家芸の魔術師集団だとは一般人は知るよしもない。
どころか表向き万人に開かれる扉からは敬虔な羊達が毎日のようにやってくる。
首都ロンドンの片隅にあるこの小さな教会もその中のひとつだ。

今日はクリスマス・イヴ。

目くらましのパフォーマンス――言い分によればこっちの方が本業らしいが――の一環としてこの教会でもミサが行われていて、
私は人手が足りないからと聖歌隊に駆り出されていた。

そこに誰が教えたのか我が愛しくも愚かしい不肖の弟子が見物に来ていて。
……ああもう、思い出しただけで恥ずかしい。

「いいじゃないか、師匠のカッコイイところ見せてやればいいだろう」

犯人はやっぱりあなたか、クソ神父。

酔っ払って私と彼の頭をぐりぐり撫で回す神父は酒臭い上にタバコ臭い。
こんなのを不良神父と言わずなんと言う。


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
125Res/79.92 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice