過去ログ - 禁書目録「それはきっと、幸せだった頃の夢」
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91:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/12/16(日) 22:27:00.25 ID:9ugy5TgZo
彼がこのインデックス・パーティとも呼べる一群に名を連ねているのは単に私の弟子だからという理由だけではないだろう。
彼の稀有な才能について私は伏せておいたつもりだったが、最大主教の目は誤魔化せなかったらしい。化け物め。

今この場にいる、禁書目録司書官ことインデックス嬢に関わる四人全員があの女狐の思惑によって配されている。
それはステイルとて例外ではないのだ。

「……」

そこまで考えて、私はゆっくりと周囲を見回す。
何の因果か古臭いアパートメントの一室に同席した魔術師達を。

魔道書を束ねその毒を呑み尽くす役を負ったインデックス。

イタリア、ローマ正教の若きエース、アウレオルス・イザード。

極東島国にある十字教の一派を治めていた聖人、神裂火織。

元の位置に戻し、まだ未熟ながらも天賦の才を持つ最年少魔術師、ステイル・マグヌス。

この四人──いや、私を含めれば五人か──の共通項に気付いているのは、もしかすると私だけだろうか。

ローラ・スチュアートが何を考えてこういう形を作ったのか、私には分からない。
分かりたくもないし、どれだけ考えようとも分かるとも思えない。

けれど必ず意味がある。
それが良い方に転ぶか悪い方に転ぶかは別として。

「そうね、今日は……」

アウレオルスのペン先が描く静謐な音を脇目に、私は弟子の真剣な瞳に向かって言った。

「魔道書について、話しましょうか」


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