587: ◆7usAPPBzDI[saga]
2012/09/23(日) 16:53:45.02 ID:wnPxS+ic0
◆
記憶が点滅する。
最初に感じたのは喪失感。
次にあったのは浮遊感だった。
「あーーー」
去っていくセイバーが見える。
(そうか、霊核を破壊されて)
どこまでも落ちていく気がしたが、もちろんそんなことがあり得るはずがない。
「がっ!」
背中にがれきが当たり、衝撃が走る。
運よく死ななかったようだが、しかしそれも大した差ではない。
結局俺はもう死ぬのだから。
「結局会えなかったか・・・」
無月の魔力すら用いて霊核の修理を試みたが、俺の実力では延命が限界だったようだ。
かりそめの体が緩やかな死を迎えていく。
「・・・・・・」
そして最後の瞬間。
「なっ・・・!」
罪が、この世の悪性が、流転し増幅し連鎖し変転し渦を巻いている悪意の塊がーーー俺を飲み込んだ。
対価に見合う願いをよこせ、と糾弾しながら。
◆
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