過去ログ - 燈馬「おはようございます」可奈「はい、お弁当」
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2:燈可奈弁 ◆WxhrC2Qhtw[saga]
2012/08/09(木) 14:56:58.29 ID:gcH1Y9zQ0
>>1

 ×     ×

「ありがとうございます」

小銭をカウンターに置いた燈馬想は、お弁当を受け取ってぺこりと頭を下げる。
弁当屋「みさと」、店長の水原可奈がギリギリの人数で切り回している小さな店だが腕は確かだ。
彼女のその方面の基礎技術が確かな事は、想にとっては十数年前から分かっている事だ。

昼食を調達した想は、しばらく歩いて町工場の門をくぐる。
挨拶を交わしながら廊下を進み、電算室のデスクに着席する。
会社が空き部屋を強引に改造して想のために用意した部屋だが、
デスクには、社内でも一際スペックの違うパソコンが用意されている。
必要に応じて事務室や作業場に出る事もあるが、今日はここで昼休みを迎える。

「燈馬さん」
「どうも」

小さな食堂のテーブル席で、着席した想に馴染みの工員が隣に座って来る。

「お茶、持って来ます?」
「お願いします」

年若い先輩工員に、想も丁重にお願いする。そして、昼食。
どれぐらい馴染みの工員なのかと言うと、
初めて想が出会ったこの工場の人間が彼と言う事になる。
あれはそう、あの弁当屋に通い始めてそんなに経っていない頃、
一人公園のベンチで弁当を広げている所に、彼がやって来た。

「燈馬想さん、すか?」
「ええ、そうですけど」

全く謎の闖入者をテリトリーに迎え、想はポケットで鍵束を握りしめながら応対していた。

「弁当屋のおばちゃんに聞いたんだけどさ。力、貸してくれるかも知れないって」

何がどうなろうとこうなるものかと、笑い出しそうにもなったが
相手は相手で深刻そうなのでそれはやめておく。

「お願い、出来ますか?」


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