過去ログ - 燈馬「おはようございます」可奈「はい、お弁当」
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228:燈可奈弁X ◆WxhrC2Qhtw[saga]
2012/10/25(木) 15:51:36.13 ID:/rFIaedz0
>>227

 ×     ×

計算を進める内に混濁する意識の中で、想は改めての出会いを思い出していた。
このシチュエーションでの四色問題は悪くない。
頭の中を縛る事は出来ない、丸で蜃気楼の様にゴールがある事だけは分かっている、
しかし人の足では容易に辿り着かないその長い長い道行きは止められない。

無論、それがごまかしを含んでいる事も分かっている。
少なくとも家族には迷惑などと言う程度の話ではない。優はどんな顔をして報せを聞いたのだろう。
もしかしたら、と、思う、多少の自惚れが許されるならば、
優が自分を信じて無実を求めれば求めるほどお互いの傷は止め処なく深くなってしまう。

家族に多大なる迷惑を掛け、友人もことごとく失うだろう。
突然仕事を投げ出した工場の人達には、本当に詫びても詫び切れない。
出所しても、例え想の頭脳キャリアをもってしても生活すら容易ではなくなる事も十分考えられる。
そんな事は、分かり切っている。
それでも、この優先順位を選択した。

 ×     ×

「ええ、その通りです」

翌朝、取り調べを受けた想は淡々と答えた。

「あの男の事で、ええ、僕のストーカー行為の事なんですけど、
それで水原さんが怒っているのを見て、無性に腹が立ちましてね。
言葉にするなら、いっそ、一度だけでも自分のものにしてやりたいって。
だけど、途中でやめました」

「何故?」
「水原さんじゃなかったからです」
「それはどういう?」

「何と言いますか、悲しい顔をして黙ってされるがままで、
凄く嫌な気分になって、途中でやめました。
結局、後日謝罪してぶっ飛ばされた訳ですけどそんな事で許される事じゃありません。
もし、刑事告訴すると言うのなら、裁判で抵抗をするつもりは一切ありません」


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