過去ログ - 燈馬「おはようございます」可奈「はい、お弁当」
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62:燈可奈弁X ◆WxhrC2Qhtw[saga]
2012/08/17(金) 01:37:47.50 ID:9cMf0qdf0
>>61

「只、この事件には、確かに謎があります。トラップと言ってもいい。
或いは警察もそこに引っ掛かってる。警察に切れる人間がいれば、罠の存在には気付く筈」

「その罠と言うのは?」
「遺留品です」
「遺留品」

「ええ。遺体は顔が潰されて歯形も失われて指紋も焼かれて全裸で単体での身元確認は不可能だった。
そこまで入念にやっておきながらそれ以外の遺留品の始末が妙に杜撰」

そこで再び、姫子と想の視線が重なる。

「警察は、早い段階で富樫慎二の正確な服装をイラスト化して聞き込みをしています。
それは、現場近くで焼却処分しようとしたものの、ほとんど燃え残った事を意味する。
何より、富樫慎二が現場まで乗って来た自転車に指紋が残っていて、
そこから足がついて直前まで宿泊していた宿泊施設との照合で身元が割れた。

遺体処理の労力を考えると、わざわざ徒労に帰しているとしか思えない手抜き。
これは、どう見ても意図的なものです。只、その意図が少なくとも上っ面からは全く分からない。
警察の組織捜査は、犯人に繋がる目に見える現実的な点と線を追及する。
ですが、警察の側に切れる人間がいるなら、必ずここ、この論理的矛盾に着目する」

「クイーン会長には分かったんですか?その謎の正体が?」

想の問いに、姫子は首を横に振った。

「忘れたのですか?私は多少の事情通ではあっても部外者ですよ。
もっとも、この謎の出所自体は把握出来ていますが」
「出所、ですか?」
「ええ。恐らく分からないと思ってこのやり方をしたのでしょうね。
お婆様が上海の租界で手に入れたものと聞いていますが、当時の古いペーパーバックの一つ…」

そこまで言った時、想は顔を下に向けて喉で笑い始める。
それを見て、姫子もふうっと嘆息して首を横に振る。


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