過去ログ - 【咲】京太郎「夏休みだ!」みんな『――――またね!』【安価】
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193: ◆wQz2C0W.uk[saga]
2012/08/14(火) 20:21:07.70 ID:VN/QMxKn0


 そろそろ夕刻を超し、夕日も顔を降ろし始めた頃、私は自宅への帰路に着いていた。

 長居し続け、負けを重ね続けたからだろう。

 視界は暗く、思考は重い。


 マホ「はぁ……」


 あの日、先輩達に紹介された時からまったく進歩していない気がする。

 それはきっと、あながち間違いではない。

 今日とて同じだ。プロが手を焼くほどの劣等生。二年近く続けながら、未だに初期ルールすら間違える永遠の初心者―――それが夢乃マホの立ち位置だ。


 マホ「……間に合わないよね、もう」


 家までの距離は十キロ以上ある。ここまで来ただけで両足はもうボロボロで、歩く毎に足が悲鳴を挙げてくる。

 周囲には人気が無く、通り過ぎる車もない。……そしてもし来たとしても――どうせ、声すら挙げられない。そんな度胸が自分にある筈がない。


 マホ「……向いてないのかなぁ」


 だけど、どちらにしろ帰らなくてはならない。

 そう、足に鞭を入れて遠い家を目指して歩き出し―――


 ?「あっぶ!?」


 瞬間、何かが視界の前を通り過ぎていった。

 ……夜空に溶け込む様な人間大の黒色と、自転車が何故か空を舞っていた。


 マホ「……え?」


 男は自転車を片手で持ちながら――片手で?――着地。

 ……そんな、よく解らないアクロバットをした彼はこちらを見て、


 ?「っと……っぶねー。す、すまん、大丈夫か?」


 私以上に草臥れた顔で、呑気に謝罪してきた。


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