過去ログ - 【咲】京太郎「夏休みだ！」みんな『――――またね！』【安価】
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488: ◆wQz2C0W.uk[saga]
2012/08/19(日) 20:26:34.28 ID:I2I/CX890

　結論から言えば、須賀京太郎の優位は三局ほどで潰えた。

　彼の技術は付け焼刃に過ぎない。

　故に老獪なフェイクを出す程自然体に動けず、その配牌は容易に読み切られた。

　―――だが、それで終わるほど俺が過ごした十二日間は浅くない。

　元より雀鬼流と彼女の相性は悪くない。ツモを重視する為に、他者からの差し込みをあまり意識しないのだ。

　故に洞察を防ぐことを止め、残りの相手に標的を絞り―――自分が上がる事にのみ集中する事により、どうにか麻雀としての体を保っていた。

　そして、染谷まこは福路美穂子に対して或る程度の耐性を持っている。

　それは読心に対する対応。例え相手の手の内を読んでいようと、それすらも卓上の表情として処理できる。

　故に、福路美穂子のメリットにこそなれ、染谷まこのデメリットには成り得ない。

　そして井上純はこの場の誰よりも、流れを左右する事に長けている。

　それが残りの二人に対処されようが、アガリに近付くのに変わりはない。

　―――そして、須賀京太郎には対抗手段がない。

　経験、技術、天運の総合値ならば決して引けを取らない。流れを視る能力により、誰を警戒するかも理解している。

　だが―――それでも遅い。

　流れを井上純に左右され。

　状況からの脱却を狙おうとしても、染谷まこに読まれ。

　最終的に―――福路美穂子に先を行かれる。

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