103:>>102 高山とやり取りしている間に偽装したという設定で ◆WNrWKtkPz.
2012/08/17(金) 03:22:09.72 ID:yeyu0jZa0
「そうか、では……俺のPDAから言おう――」
(早くしてくれ!!)
物心ついた時から真面目で素直に育てられた細川にとって、人を欺くという行為には非常に罪悪感がある。
こんなことをなぜしなければならないのか。
それも、自分の意思に反して……
「俺のPDAは2。……JOKERのPDAの破壊だ」
(……やっぱりな)
ここまでJOKERを欲すのは6よりも2のほうだと、想定していた。
「私は〜Jで〜す! えっと〜、取りあえず皆とずっと一緒にいればいいって感じかな〜?」
渚さんにはもってこいの解除条件である。
最後がなぜか疑問形なのが少し心配になるのだが……
「……私は、K。PDAを5つ集める事が条件だよ」
細川にとっては不幸にもどちらとも平和的な解除条件だったようである。
ただ、彼女ら二人が殺人に手を染める様な解除条件でなくて良かった、と心のどこかで思っていた。
(さて、次は俺の番か……)
細川がPDAを教えるのが最後であったため、万が一のPDA番号の重複という事象を無くすことが出来たのは嬉しい誤算だった。
これで、心置きなくPDAを取り出すことが出来る――
「俺のPDAは、5です」
悪魔の笑みで全員にPDAの画面を見せる。
3人とも特に目だった表情を見せる事は無かった。
「……いやぁ、みんな平和的な条件で良かったよ」
北条が大きく息を吐きながら安堵の表情を見せる。
平和的じゃなかったら教えるはずがないだろう、と思いながら細川はポケットにPDAをしまおうとする――
「いや、違うな――」
(……!?)
「どういうこと〜?」
「……細川はどう思う? 本当に全員平和的な解除条件かどうかについて」
なんだこの尋問は
まるで死刑宣告されたかのような――いや、でも高山の口調は何処と無く優しい気がした
(まさか偽装していることがばれたか……?)
「どうって、2、J、K、5……と見た通り、皆平和的じゃないですか」
「そうだよ、どうしたんだ高山さん? まるでこの中に嘘をついている人がいるみたいに…………っ!」
「……そうか」
高山は深く息を吐きながらもう一度こちらを見た。
今度の目は、全てを見透かされるようなギロリとした目だった……
「細川、今のお前は……戦場で真っ先に死ぬ人間の目をしている――」
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