104:>>102 高山とやり取りしている間に偽装したという設定で ◆WNrWKtkPz.
2012/08/17(金) 03:41:26.82 ID:yeyu0jZa0
「……よく、意味が分からないんですけど?」
本当に何が言いたいのか分からなかった。
どういう意味だ?
戦場? 真っ先に死ぬ?
俺は何かへまをしたというのか? いや、絶対にして無いはずだ
「人間と言うものはだな、すぐにその本質を変えるという事はできない」
「…………」
「平民が、突然戦場に連れて行かれて人を殺せといわれてすぐに殺せると思うか?」
「……どうしようもない、というのなら」
「そう、それだ。その中途半端な、平民だった自分が残っているその目だ」
「その目をした者は、誰一人と[ピーーー]こともできず、そして生き残る事も出来なかった」
「だから、何が言いたいんですか……? そんな回りくどい言い方をしないで言いたいことを言ってください」
まるで自分が幾多もの戦場を渡り歩いてきたかのような口ぶりに、苛立ちが込み上げてくる。
「……つまり、お前のPDAはJOKERだということだ」
「……なっ、何を言ってるんですか?」
「そ、そうだよ〜。私だって忍くんのPDAに5って書いてあるのをちゃんと見たよ〜?」
「じゃあ、もう一度PDAをこちらへ見せてくれ、細川」
「……わかりましたよ。ほら、ここにちゃんと5って書いてあるでしょう?」
全く、なんで同じことを繰り返さなければならないのか……
細川は少しムスッとしながらPDAを強く前に突き出す。
どうせさっきと同じ顔を全員しているのだろう……そう思って細川は前を向いた――
「えっ……?」
なんで、高山はさっきと同じ顔なのに、渚さんと北条はこんなにも青ざめた顔をしているのだろうか。
「…………なっ!?」
ゆっくりとPDAを裏返してみる。
“JOKER”
「えっ……なん、で…………?」
頭が真っ白になる。
どういうことだ。JOKERを偽装してからまだ30分ほどしか経過してないというのに――
『俺のPDAは2。……JOKERのPDAの破壊だ』
(…………ッ!!)
思い出した――
あまりのプレッシャーに、2のPDAについてのことが頭から抜けていた。
“このPDAのみ半径1m以内でJOKERの偽装機能は無効、初期化される”
そうだ、あのPDAはJOKERの偽装を解除するのだった。
「細川……お前は嘘をつけない人間だ」
高山がゆっくりと近寄ってくる。
彼が細川の全てを上回っていたという事実に、絶望した。
もう、何も考えられない。何も言えない……
「悪いが、このPDAは破壊する――」
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