452: ◆WNrWKtkPz.[saga]
2012/08/21(火) 18:32:56.57 ID:uxiE+d+J0
 「ん…………」 
  
 ふと、目が覚める。 
  
 「……あら、やっと目が覚めたのね」 
  
 目の前には文香さんの顔があり、頭を撫でられていた。 
  
 「ふみか、さん…………ハッ!!」 
  
 目黒は跳ね起きるようにして辺りを見渡した。 
  
 「わ、私……うっかり寝ちゃって……!」 
  
 「大丈夫、何もなかったから。それよりも奈央、治療してくれてありがとうね」 
  
 「……い、いや、私はただ文香さんのやってたことを真似しただけです」 
  
 いままで子供みたいに膝枕をしてもらっていたと思うと、恥ずかしくて文香さんを直視することが出来なかった。 
  
 「もう、そんなに謙遜しないの! そんな自身の無い女じゃ、良い男が寄ってこないぞ〜?」 
  
 「……ふふ。そうですね!」 
  
 文香さんが生きて居て良かった。 
  
 本当に良かった―― 
  
 【文香(胸部負傷)→行動速度△】 
  
 ―――――― 
 ―――― 
 ―― 
  
 ゲーム開始から44時間となった時、ようやく咲実が待っている場所まで帰ることが出来た。 
  
 「……! お帰りさない、奈央さん……文香、さん!?」 
  
 文香さんが目黒に肩を支えて歩いているのを見て、咲実は驚いた表情を見せた。 
  
 「ただいま、咲実。文香さんは少し怪我してるけど、大丈夫よ」 
  
 「そう、ですか……。御二人とも無事で、良かったです」 
  
  
 咲実に、向こうで何があったのかを大まかに説明した―― 
  
  
 「さて、それじゃ戦闘禁止エリアへいきましょうか」 
  
 文香さんを咲実と一緒に支えて歩きはじめる。 
  
 咲実はずっと休憩していた間に大分怪我が治ってきたらしく、ある程度なら走れるくらいに回復しているようだ。 
  
 「ごめんなさいね、勝手に行動して勝手に怪我しちゃって……」 
  
 「何言ってるんですか、文香さん。困ったときはお互い様って言ってたじゃないですか!」 
  
 「はい。今度は私たちが助ける番ですよ?」 
  
 「ふふ、いい仲間を持ってて良かったわ」 
  
 3人の信頼はかなり厚いものとなっていた。 
  
 文香さんと咲実……この二人には絶対に生き残って欲しい、と私は思った―― 
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