518: ◆WNrWKtkPz.[saga]
2012/08/23(木) 14:25:52.84 ID:hdiF6eWI0
いや、さすがにこれ以上続けるのは不味いだろう。
いくら右腹が軽傷とは言え、あまり出血量を増やすのは危険である――
「……矢幡さんのPDAの番号は?」
「聞いて、どうするつもりよ?」
「協力できるものだったら、って思ったのよ。それで、何なの?」
矢幡は少し黙っていたが、間もなくして口を開いた。
「私のPDAは……8よ。PDAを5個破壊する事、それが私の、条件……」
「……そう、だったら協力できるわね」
「どういう、つもり……?」
矢幡が不可解な顔をしてこちらを見ている。
「私たちの首輪が解除出来たら、用済みになったPDAを矢幡さんに渡すわ」
「……そんなの、信じられるわけ無いじゃない!」
いままで敵対していた者が、それも襲われていたほうが協力してくれるなんてあり得るはずがない。
それはごく自然な反応だった。
「もう駄目だと思ったら、一か八かで6階の戦闘禁止エリアに来なさい? 信じるか信じないかは貴女次第ね。最も、私たちがそれまで生きているかどうかは保証できないけど――」
そう言ってスタンガンを腰から取り出す。
「……ッ!」
「大丈夫、私たちが逃げるまでちょっと気絶して貰うだけだから。我慢して――」
電圧を弱いものにして、彼女の首元にスタンガンを当てた……。
(よし、逃げよう……)
どうにか矢幡さんの襲撃から逃れることが出来た。
痛みを耐えながら、倒れている咲実を必死に背負ってその場を後にした……。
――――――
――――
――
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