956: ◆WNrWKtkPz.[saga]
2012/08/29(水) 00:25:09.84 ID:tzmn7HqC0
「そう、だよな……こんなの、ダメだ。間違ってやがる」
それに、もうこれ以上優希の悲しそうな顔を見るのが嫌だった。
彼女には笑っていてほしい。
ずっと笑っていてほしい。
「優希、大丈夫だ。俺はこんなゲームに乗ったりしねぇよ」
優希が泣き止むまで頭を撫で続ける。
彼女の柔らかい髪が、俺の心を癒す――
「こんなつまらねぇゲームなんざ、もう御免だわ。さっさとテトリスやりてぇよ」
「……うん!」
俺はそう言って、優希をゆっくりと離した。
「おじさん……?」
「優希……少し、そこで待ってな――」
そう言って、俺は優希に背を向けて歩き始めた
「ううん、一緒に行く! 私はずっとおじさんと一緒にいるもん!」
「いや、ここからは優希が……“お嬢ちゃん”が来たら駄目なんだわ」
「嫌! 私を……私をまた、独りにしないで……っ!」
優希が、俺の服の裾を握って止めようとする。
「……これ以上やると、怒るぞ?」
「いいもん! 怒られても、絶対にいかせないもん!」
「……やめろっていってんだろが」
「おじさん、行かないで……っ! 優希、なんでもするから! 一生のお願いも使うから……!」
「…………優希」
俺は、振り返って優希を抱きしめた。
「おじさん…………」
そして、頬に口づけをして優希の鳩尾を殴った――
「本当の家族と居るみたいで、嬉しかった――」
「おじ、さん…………ぃゃ…………っ――」
俺は立ち上がって、優希を近くのベッドに寝かせて部屋を出る。
「よし、敵兵殲滅と行きますかい――」
――――――
――――
――
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