過去ログ - 紬「わがままマジック」
1- 20
20:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]
2012/08/16(木) 09:06:26.39 ID:DeNa+wh1o



――夢は夢。

唯ちゃんが私を好きだったのも、ただの夢。

紬「……うん」

電車から降りながら、思い返していた夢との決別。

あれは夢。現実では両想いなんて滅多にないし、心を操る魔法もないし、全てをなかったことにする魔法もない。
現実は、いつだって冷たい。だから私はずっとこの気持ちを押さえ込んできたんだ。

紬「………」

……唯ちゃんの「わがまま」も、ただの夢。
思い込みじゃなくて、駅の階段を下りたその場所で見た顔が、そう思い知らせてくれたんだ。

唯「あっ、ムギちゃんだ」

紬「あら唯ちゃん、おはよう」

唯「おはよ〜。キグウだねぇ」

紬「そうだねー」

いつも通りの唯ちゃん。
到底、私のことが特別好きになんて見えない唯ちゃん。

だからきっと、「好き」って伝えても、私の望む答えは返ってこない。


でも。

紬「ねぇ、唯ちゃん」

唯「んー?」

それでもいいかな、って思った。
唯ちゃんのわがままに振り回されるのが好きだから、それくらいいいかな、って思った。


そして内心、あわよくば『魔法』がかからないかな、って思った。


その『魔法』は、もちろん夢のような能力なんてないものだけど。
現実にある魔法は、とても不確実で、不安定だけど。
願わくば。


紬「あのね、わたし、唯ちゃんのことが――」


――恋の魔法を、わがままな貴女に。






<<前のレス[*]次のレス[#]>>
32Res/33.60 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice