過去ログ - 咲「野球って楽しいよね。安価でいっしょに楽しもうよ!!」 二十九本場
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974:松井とか言う三振キチガイ。なお投下は一層スローペースになる模様。中断すらワンチャン。[saga]
2012/08/20(月) 09:18:17.10 ID:pQfqRXw7o

その次の日、私は屋上に行った。

『下半身を目撃してきた不良』なんていう天敵の要素だらけの相手が今日も来るかもしれなかったのに。

他にも隠れる場所の候補はあったし、屋上に行かなきゃダメな理由なんてなかったのに。

それでも私は、屋上に来た。

きっと私は、彼を待っていたんだろう。

屋上の扉のすぐ横に持たれ、借りてきた本を開く。

いつもと違って、あまり内容は頭に入って来なかった。

何故だか視線が定期的に扉に向かい、足音を拾おうと無意味に耳にも意識を傾けていた。

多分、あれは、内気で無様でヒエラルキーの底辺を這う、文学少女の惨めでみっともない初恋なんだと思う。

結局あの日、彼は姿を現さなかった。

邪魔者は、現れなかった。

なのに栞は移動しない。

脳裏に描く空想も、今までは読んでる本の登場人物による物語ばかりだったのに、

その日は私と彼の他愛のない日常のソレだった。


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