255:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2012/09/12(水) 18:28:24.06 ID:ga0Ckc+DO
猫が喋っていることが分かる、というものは人間にとってある種のロマンのようなものなのだろう。
ならば、このはしゃぎようにも少しくらいは理解を示してやるのが人情だ。
クロは、まどかを無視することにした。
かぐら「あー!?」
と、そこにまたしても、かぐらの大声が響いた。
頭の上から飛び降りて、かつては右腕があった場所に顔をよせる。
かぐら「お兄ちゃん、ケガしてるの!?大変、大変だ!!マザーに伝えなくちゃ!」
ジタバタと大騒ぎをして、辺りを走り回り始めたかぐらを見て、まどかはギョッとした顔になる。
かぐらの突然の行動に驚きを隠せないのだろう。
まどか「クロちゃん、この子どうしちゃったの!?」
かぐらのパニックは、更にまどかのパニックを呼び、お目付け役のはずのほむらにしても、アワアワと狼狽えるばかりである。
クロはため息をついて、狙いを定めて足を踏み出した。
かぐら「ふにゃっ!?」
見事に、クロの足はかぐらの尻尾を捕らえ、かぐらは引っ張られる形で身体をべちゃりと床に倒れこました。
クロ「落ち着けっつーの。これくらい大丈夫だ」
説明するのもかったるいといったような口調だったが、その目はしっかりとかぐらを見据えていた。
そして、パニック状態に陥っていたかぐらも落ち着きを取り戻した。
かぐら「本当にだいじょうぶ?痛くない?」
心配そうにこちらを見つめてくる子猫、もし嘘でも「痛い」などと言おうものなら、感じるはずのない痛みを感じてしまいかねない程の純心が垣間見えた。
クロ「あぁ、当然だ。オイラの強さを忘れたか?」
かぐらの脳裏に浮かぶのは、あの化け物を屈服させたあの姿。
だから、その言葉を子猫はあっさりと信じた。
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