439:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2012/10/01(月) 20:42:39.36 ID:Fs0Fl9oDO
自分の下手な誤魔化しだったが、さやかは「そっか」と納得してくれたようだった。
このまま、普段の会話にしていこうと、恭介はさやかに声をかける。
恭介「さやかは、最近どうかな?学校とか、友達とか」
さやか「……友達」
なんでもない言葉のはずだった。
しかし、後ろに感じるさやかの空気が変わり、なにやら沈んだような雰囲気を感じる。
彼女の呟きが、さらにそれを強く意識させた。
恭介「さやか?」
一体何があったのだろうかと恭介は思いを巡らすも、いかんせん自分は長らく病院にいる身で彼女に大した助言をかけられる身ではない。
さやか「大丈夫大丈夫!なんでも、ないから」
恭介「……そう」
その言葉は、果たして彼女自身を守る言葉か恭介を気遣った言葉か。
しかし、恭介は何も言わず、何も言えず。
ただ車椅子に揺られて運ばれていくだけだった。
誰かの痛みを知らぬ二人が、それぞれの想いを抱えながら屋上を後にする。
────他愛のない言葉を掛け合いながら。
1002Res/761.81 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。