548:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2012/10/09(火) 22:37:31.11 ID:mLRClCHDO
こんなに説教臭いのは、最初で最後だとクロは思う。
全く、本当にらしくないことを自分は平気でしている。
しかし、これは男としてやらなくてはいけなかった事でもある。
誇りを忘れた男に対して、必要だった事だと思う。
だから、言った言葉に後悔はしない。
恭介に自分の過去を明かしたことだって、そうである。
恭介「僕は……僕は!どうしたら!」
恭介の瞳から、ついにボロボロと涙が溢れる。
顔面は腫れ上がり、口元や鼻から血が出ている。
なんと情けない姿だろうか。
クロ「足が動かなかろーが、腕が動かなかろーが、望むなら這ってでも前に進める。生きてりゃなんだってできるさ」
ただ力強い声だけが恭介の鼓膜を震わせ、胸を打った。
今、この世界にはクロと自分しかいないような気持ちになる。
クロ「どーしてもしんどけりゃオイラに言え。行きたい場所に連れてってやるよ、引きずり回してでもな」
恭介「……クロさん。ん?」
自分の頬の辺りをザラリとしたものが撫でていた。
目だけを動かしてそこを見ると、さっきの子猫の一匹が舐めていた。
クロより小さな黒猫である。
恭介「ははっ、ありがとう」
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