646:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2012/10/24(水) 21:19:28.13 ID:3DYO31+DO
恭介「僕には、魔法も奇跡も必要ない」
さやか「……え?」
そんな言葉を受けるとは全く予想していなかったのだろうか、さやかはポカンと口を開けている。
構わず恭介は言葉を続けた。
伝えなければならない事を。
恭介「もしも……もしもの話だけど、さやかが魔法や奇跡で僕の身体を元に戻してくれたとしてもそれは意味がない事なんだよ」
それは宣戦布告であった。
これから先の未来への、ここから先の苦難への
恭介「僕自身が決めて僕自身の為に動いていく事が大切なんだ。その為にはそれこそ這ってでも前に進んでいく……だから」
それは宣言であった。
自分の傍にいてくれた。
自分に夢を諦めないようにと言い続けてくれていた優しい少女への。
恭介「だから、そこで見ていてほしいんだ。さやか」
恭介の真っ直ぐな瞳に射ぬかれたさやかは今度こそ力が抜けてしまったのか、スルスルと恭介から手を離した。
恭介はまた身体を必死で動かして前に進んでいく。
足掻くような藻掻くような、ゆっくりとしか進めていないその様は、しかしさやかにとってはまるで遥か彼方に走り去って行ってしまうようなそんな奇妙な気持ちにさせられるものだった。
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