76:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2012/08/26(日) 00:14:56.12 ID:Q0hZ9VlDO
見滝原、そこは確かに、美しく、発展し、人による整備が行き届いた日本有数の都市である。
しかし、最初からそうだったわけではない。
発達の裏には、一つの衰退があり、創造の裏には、破壊がある。
ビルを作れば、もう一つの大きなビルを都心部にを作る。
勿論、企業は新しい巨大なビルに居を構えたがる。
マンションを作れば、駅前に巨大なマンションが建つ。
もっと良いものを、もっと便利なものを、もっと高価なものを。
もっと美しく、もっと楽に、もっと、もっともっと
人は、そうやって発展をしてきた。
全てを捨てて、作りかけのプラモデルはそのままに、また新しい玩具を欲しがるように。
それは、ここ見滝原も同じだ。
都心部に行けば、見上げるほどの高層ビルがテトリスのように並んではいるが、少し街の外れた場所に向かえば、廃工場や、空きマンション、人が住まなくなった建物がポツンポツンと増えていく。
人気もあまりなく、錆びれた場所。
彼女達は、そこを歩いていた。
さやか「へぇ、そのソウルジェムっていうので、変身したり魔女の居場所が分かったりするんですか。」
マミ「えぇ、分かるといっても結局は近づいてみないとはっきりとしないから、確認はしに行かなきゃいけないのだけど。」
少しばかり、イタズラっぽく笑う彼女の手には、卵のような形をした宝石がある。
それが、ソウルジェム。
魔法少女の力の源、らしい。
らしい、とは、やはり話が分からなかったというのと、いよいよ神秘じみた物証が目の前にあり、それだけで満足したような気分になったからだった。
まどか「あの、マミさん。クロちゃんは元気ですか?」
突然の質問に、マミはキョトンとし、さやかは顔をしかめた。
前者は疑問から、後者は嫌悪である。
マミ「朝、学校に行く時は眠っていたけど・・・どうかしたかしら?」
まどか「パパが言ってたんです。今日、黒猫が庭に迷い込んできたって。そして、その猫は喋ったそうなんです。」
マミ「喋った?クロがそんなポカを犯すとは思えないわね・・・、何て喋ったのかしら?」
彼は、それなりに常識がある猫だ。
つまり、人間の中に存在する常識や、既成概念にも精通しているため、無闇に二足歩行をしたり、人語を操ることはしない。
それは、彼と過ごした、ここ数日の中で知ることができた彼の一面である。
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