796:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2012/11/22(木) 00:16:53.66 ID:xUu1tlmDO
風が、やけにはっきりと風を感じる。
何故だろう、というか何処からだろう。
いや、なんか太ももがやけにスースーと。
呆然としたまま顔をしたに向けると、そこには自分の肌色をさらした太ももと、地面に落ちている学校指定の制服のスカートがあった。
スカート?あぁ、そういえば学校に行く前にここに立ち寄ったんだっけ、でもなんでスカートがあんな所に。
恭介「さ、ささ、さささやか、ス、スカートがッ」
その声にギギギと錆びた金属がこすれる音がしそうなぎこちない動きでさやかは振り返った。
そこには、もう真っ赤に染まった顔をした恭介がいた。
クロ「……黒か、マミでも水色なんだぜ。さやかちゃんたらおっとなー」
そして、その声の方を向けばニタニタと笑う黒猫がいた。
さやか「……ずりおろしたのか。お前」
クロ「そうだ」
彼らは端的なコミュニケーションにより効率的に各々の状況を察する。
クロは後ろに控えた子猫を両脇に抱えて猛ダッシュで戦線から離脱した。
さやか「待てえぇぇぇぇぇ!このクソ猫ぉぉぉぉぉぉ!!」
恭介「さ、さやかダメだって!ちゃんとスカートはかなきゃ!!」
見滝原総合病院の駐車場に、少女の怒声と少年の悲鳴も似た叫び、そして壊れたラジオのような愉快そうな笑い声がやかましく響いたのだった。
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