過去ログ - セイバー「シロウに一番愛されているのは私ですね」オルタ「あ?」リリィ「え?」ネロ「む?」2ツメ
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◆ecH57LqR9PZC
[saga]
2012/12/25(火) 11:20:52.93 ID:z07dlKul0
「!!(ちょ、ま、まだ…………心の準備! まだだから!!!)」
「誰?」
「あ、あわわわわ!!!」
自分でノックしたけれど勢いだけの行動でしかなかった。
シロウの部屋の前で言葉通りにあわあわしてしまい、咄嗟に―――。
”がしっ!”
「ん? 開かない…………んん?」
「くっ!」
―――戸を両手でがっしりと押さえてしまった。
開かない戸にシロウは不思議がり力を込めるけれど、私の力に勝てはしない。
「誰? ネロか? イタズラはやめてくれよ」
「……………………」
シロウはイタズラと判断したらしく戸から手を離し、呆れたような声を漏らした。
だけど、この後も何かがあるのかとその場を離れずにいるようだ。
「っ!!(やばいやばいやばいやばい!! やんばいっ!!!!!!)」
シロウが手を離しても私は戸と手が融合したようにしたまま、心臓の早鐘に歯がカチカチなってしまう。
言わなければ今言うしかない、それなのに上手く声にならない。
言葉を紡ごうとしても口からは細い息が隙間風のように流れ出るだけ。
こんなではどうあっても言えない、でも言うしかない。
「?」
戸の一枚向こうではシロウがきっと怪訝な顔をしている。
その内呆れてしまうだろう、だからその前に!!
どうにかして言葉にして口に出してしまうしかない!!!!
「ふしゅー! ふしゅー!!」
「えっと、誰?」
獣じみた息に戸の向こうからは不安げな色の声がした。
グッと戸を掴み手に力が籠り、みきりと音を立ててたけれど気にしている暇はない!
「っ!!!!」
覚悟を決めて力を込める。
今一瞬を永遠に感じながら、私は戸をゆっくりゆっくり―――。
”すっ”
「? チケット?」
―――3mmくらい開けてそこからチケットを差し込んだ。
本当に心臓が喉から出そうだし、胸からも突き破ってきそう、そんな動機の中口を何とか開いた。
「あ、あい、あした、い、いこ、行こう、そこ、行こう!!!」
「オルタ? 行こうって、明日、これ? 遊園地のチケット…………」
「っっっっっっっ!!!!!!!」
シロウが私に気付いた。
そして言ってしまったデートのお誘い。
もうこのまま死ねるなら喜んで死にそうな緊張の中、シロウの答えを待った。
本当にどこまでも残酷に長くて、身体中が震えてしまうようだった。
痛みにもにた緊張の終わりは直ぐ傍で―――。
「ごめん、明日俺バイト、遠坂にどうしてもって頼まれて…………夜からじゃ、無理だよなぁ」
―――容易く崩れ落ちた。
「ほんとゴメン、せっかく誘ってくれたのに…………オルタ、大丈夫?」
「…………だい、じょぶ」
緊張からの解放で床に倒れた私。
その私を開けられるようになった戸を開け気まずげに見下ろすシロウ。
何と言うか悲しい悲しい結末。
悲しい悲しい絵面。
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