過去ログ - セイバー「シロウに一番愛されているのは私ですね」オルタ「あ?」リリィ「え?」ネロ「む?」2ツメ
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743: ◆ecH57LqR9PZC[saga]
2012/12/25(火) 11:21:24.58 ID:z07dlKul0

「ほんと、ごめんな?」

「い、いや、大丈夫、うん、大丈夫だから…………」

もっと早く言い出していればもしかしたらこんな風にはならなかったかも知れないけれど後の祭り。
虚ろな笑みのままふらふら立ち上がりふらふら歩く。
今はシロウの顔を見ていたら本当に壊れそうだから、すっと背を向ける。

「あ、チケット…………」

「いい、シロウ持ってて」

差し出された折れた鍵を拒否して自分の城に帰る姫…………のつもりの私。
自分から王子の城に鍵を届けた姫の滑稽な凱旋だ。
どこぞの金ぴかの世界をぶっ壊す一撃より深く深く響いた気がする。
もう足に着てふらふらふらふらと部屋に戻り、そのまま床に倒れた。
緊張疲労が限界を超えきっていたから。
いや、むしろこれで重荷が消えたのだ。
そう思うと心だけは軽くなっていくような気がする。
身体は重く重く重く重く、どこまで沈んで行きそうだけれど、心だけはどこかに飛んで行きそうなくらい軽い。
心は上に、身体は下にと互いに引き剥がされるように離れていく。

「あ、ああ、そっか…………幸運の女神は前髪しかないんだったっけ」

きっと幸運の女神は私の前をシューマッハみたいな速度で通り過ぎていったのだろう。
……………………いや、ベンジョンソンくらいかな。
それを私は余裕ぶっこいて見逃したのだ。
時間に甘えてその結果がこれだ、仕方がない。
仕方がない仕方がない仕方がない仕方がない。
でも……………………。

「うぅっ。ひっく、ひぐっ。ううぅううぅう!!」

悲しい悲しい悲しい悲しかった。
何がって訳じゃないけれど、悲しかった。
そんな涙で私のクリスマスはイブにもならずに終わった。



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